もくじ
RSウイルスが全国的に大流行しています
おもに乳幼児がかかると重症化しやすいといわれる「RSウイルス感染症」
毎年夏の終わりから冬にかけて流行する呼吸器系の感染症なんですが,2017年は7月頃から徐々に感染者が増え始め,9月に入ってからも依然として大流行が続いています。子ども達の間で,毎年秋から冬にかけて流行する代表的な感染症といえば
●インフルエンザ
●RSウイルス感染症
●ノロウイルス
●ロタウイルス
これらがあります。
なかでも「インフルエンザ」に関しては,毎年流行するかどうか?予防接種はいつ受けようか?など非常に高い関心が集まるんですが,感染率が非常に高いにも関わらず,意外に見過ごされがちなのが「RSウイルス感染症」なんです。
RSウイルスはインフルエンザよりもこわいかも・・⁉
おもに1歳未満の乳幼児がかかると重症化しやすいと言われている「RSウイルス感染症」なんですが,実は大人でも容易に感染してしまいます。
しかし,通常大人の場合は感染したとしても風邪に似た症状で終わることが多く,感染したことにすら気が付かない場合もあるくらいです。
「それにしても今回の風邪はなかなか治らないなぁ・・?」
なんて思っていたら,知らず知らずのうちにRSウイルスに感染していたなんてことも!
RSウイルスに感染した場合の一つの特徴として「ひどい咳」が挙げられます。
「コンコン」という乾いた咳から,「ゼーゼー」という喘息のような息遣いに変わってきたら要注意!
☆生後6か月未満の乳児
☆高齢者
☆妊婦
☆夏バテなどで体力・免疫力が著しく低下した人
これらに該当する場合はさらに注意が必要です。
通常の発症であれば鼻かぜ程度で自然治癒してしまうんですが,長引く症状を見過ごしてしまうとあっという間に重症化し,入院治療が必要になってくるのがこの「RSウイルス感染症」の非常に怖いところです。
高齢者で入院治療を要するような症例の場合,致死率はインフルエンザとほぼ同じと言われています。
また,もう一つ注意すべき点としてRSウイルスに感染しても,インフルエンザのような高熱が出ない場合もたびたびあり,そのために見過ごされてしまうことが多いのも非常に大きな特徴なんです。
「単なる風邪だろう・・」
と思っていたら,あっという間に呼吸が浅くなり,急にぐったりした!特に子どもの場合,こんなことが起きないように細心の注意が必要です。
RSウイルスを大人から子どもに感染させないように!
RSウイルスそのものは世界中に分布し,生後1歳までに半数以上,2歳までにはほぼ100%の確率で感染するとされています。
しかし,一度感染したからと言って安心できないのがこの「RSウイルス」のやっかいなところ。
何回感染しても生涯にわたって有効な抗体を獲得することができず,一生のうちにたびたび再感染・発症してしまうのが大きな特徴です。
そのため,大人になっても気が付かないうちにたびたび感染してしまう「RSウイルス感染症」
ただ,大人の場合は多少の免疫があるため比較的軽い症状で治まってしまうことが多いんですが,その大人が感染源となり一緒に暮らしている乳児や高齢者にうつすことによって,気管支炎や肺炎などの症状を引き起こし重症化させてしまうケースが最近とても多いそうなんです。
RSウイルス感染症に感染したママが,ウイルスの付着した手で赤ちゃんを抱っこしてしまったら・・・・‼
乳幼児を持つママや,家族に高齢者がいるご家族は「親・兄弟・家族から,乳幼児や高齢者への感染」を防ぐことが,RSウイルス感染の拡大を防ぐ何よりも大切なポイントとなります。
手洗い・マスク,そしてアルコール消毒が最も有効です
大切な家族をRSウイルスやインフルエンザ感染による重症化から守るために,そして自分自身も感染から身を守るために,誰でも今すぐできること
石けんと流水での正しい手洗い
これに尽きると思います。
”手洗い”は,最も身近で誰でも手軽にできる感染症予防対策です。
ただし,水ですすぎ洗いするだけでは,皮膚に付いた細菌やウイルスを十分に落としきることができません。
手洗いするときは「石けん+流水」が基本!
普通の石けんでも20~30秒かけてていねいに洗うことで,十分な効果が期待できます。
そして,ポイントは「洗い残しがないようにていねいに洗うこと」
指の間や手首などは,意外と洗い残しの多い場所です。意識してできるだけていねいに洗うようにしましょう。
アルコール消毒も感染予防に非常に有効的ですが,正しい使い方をせずに塗り残しがあっては十分な効果を発揮できません。
適切な量を手に取って,指の間まで塗り残しがないようにきちんとすり込み,完全に乾くまで待つことがポイントです。
しかし,手をキレイにするための洗面所やトイレなどが菌で汚染されていては,肝心の効果もあまり期待できません。
空気中を漂うウイルスや細菌を元から除菌できたら,まさに理想的ですよね!
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この商品,もともとは全国の医療機関の機器を除菌するのに使われていた商品なんですが,「個人的にもぜひ使いたい!」という医療現場の声をもとに一般的に商品化された本格的な除菌商品のため,効果は実証済みです。
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RSウイルス対策は万全にしておきましょう
「RSウイルス感染症」そのものは,ほぼ100%の人が感染・発症したことのあるごくありふれた疾患です。
潜伏期間は2~8日間で,鼻水・鼻づまり・咳・発熱など,風邪ソックリな症状が現れたのち,多くは2.3日で自然に症状が軽くなっていきます。
ですから,基本的な風邪対策さえしっかりしておけば必要以上に怖がることはありません。
ただし,何ごとも油断は禁物!
「風邪は万病のもと」
と言われるように,単なる風邪だろう・・・と軽く見ていたら,とんでもないことになりかねません。
しかも,RSウイルスは感染力が非常に強いにもかかわらず,有効とされるワクチン接種の保険適用範囲が非常に限られたものになっているのが現状です。
RSウイルス感染症の重症化を防ぐために有効とされる手段として「シナジス注射」というものがありますが,接種するのに非常に高価な費用がかかります。
保険適用にならない場合,自費だと最低でも一ヶ月約8万円と言われています。
しかもこのシナジス注射,一回接種すればいいというものではなく,決まったシーズンに少なくとも6か月間の接種が必要とのことで,誰でも簡単に接種できるようなものではありません。
現時点ではRSウイルス対策として最も有効な手段は,やはり「手洗い・うがい・マスク・アルコール消毒」が基本!
そして,感染した可能性が少しでも疑われる場合は出来るだけ早く医療機関を受診し,
重症化しやすい乳幼児や高齢者との接触には万全の注意をはらうようにしましょう。